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リネン吸着法の吸着メカニズム解析と絶対値評価



グループ名 福島老朽原発を考える会
代表者氏名 青木 一政 さん
URL http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/
助成金額 70万円

研究の概要

2024年5月の助成申込書から
 福島原発事故の影響により汚染土壌の再浮遊や、汚染ごみ焼却炉排ガスの拡散など、大気中の放射性セシウムを含む微小粉塵濃度測定のニーズが巾広く存在しています。セシウム等放射性物質を含む微小粉塵(PM2・5)は吸入すると肺の奥の肺胞に滞留し、長時間排泄されず内部被ばくによる健康リスクが大きいです。汚染地域住民にとってこの影響懸念は大きく、このニーズは今後も長期に渡って続くと予想されます。  我々は2016年頃から、リネン吸着法を開発して各地で測定してきました。特に宮城県大崎市における農林業系汚染ごみ一斉焼却においては、リネン吸着法が焼却炉からのセシウム微小粉塵漏れを立証する大きな役割を果たしました。  リネン吸着法はセシウムの時間当たり・面積当たりの吸着率(Bq/m2・h)で数値評価できますが、相対評価であり、大気中の放射能粉塵濃度を評価する一般的な指標(Bq/m3)ではありません。また、これまでの文献調査や測定結果から、リネン吸着法は微小粉塵(PM2・5)を効率的かつ安定に捕捉していると考えられますが実証データはありません。そこで、今回、文献調査や理論的解析、実験、フィールドテスト等により、リネンへの微小粉塵吸着メカニズムを明らかにします。また吸着率(Bq/m2・h)を大気中粉塵濃度(Bq/m3)へ変換する変換式や係数を明らかにすることを目指します。また、上記作業を通してリネン設置の制約条件を経験的なものから科学的に基礎づけられたものにします。

中間報告

2024年の中間報告から
 私達はリネン吸着法(麻布を屋外に一定期間設置後、回収して吸着したセシウム量を測定する、以下LAMと表記)を開発し、各地で大気中のセシウム粉塵測定をしてきました。特に大崎市における放射能汚染ごみ一斉焼却においてLAMが焼却炉からのセシウム微小粉塵漏れを立証する上で大きな役割を果すことができました。  LAMはこれまでの測定実績や文献調査などから、微小粉塵(PM2・5)を効果的に捕捉していると考えられますが実証データはありません。そこで、?リネンへの微小粉塵吸着メカニズムを実証的に明らかにすること、?吸着率(Bq/?・h)を大気中粉塵濃度(Bq/?)への変換を可能にすることを目指す、?上記作業を通してリネン設置の制約条件を経験的なものから科学的に基礎づけられたものにする、という目標をたてました。  重要ポイントはリネンを設置した実験ボックスの吸排気口で、パーティクル・カウンタで粒径別の粒子個数を測定し、その差分から吸着された粒子数を粒径別に把握することです。写真の様なボックスを作成し、6レベル(0.3?10μm)の粒子吸着率のデータ収集を実施。課題は残るものの、この方法で粒径別の吸着率を明らかにできる見通しを得ました。  2024年の年末には実験ボックス、エアダストサンプラと屋外設置リネンを福島県双葉町へ持ち込み、大気中セシウム吸着テストを行いました。今後、このフィールドテスト結果と、ちくりん舎での実験ボックス粒径別の吸着データ収集の突き合わせを行い、解析を継続します。

結果・成果


その他/備考


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