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熊本の環境を考える会 | |
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西村 澄子 さん | |
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https://note.com/kumakan2023 | |
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50万円 |
2024年5月の助成申込書から
世界的な大手半導体企業であるTSMC(台湾積体電路製造)及びその子会社であるJASMの半導体製造工場の第1工場と第2工場が熊本県菊陽町に建設され、2024年12月から出荷が開始され、2027年以降に本格操業の予定とされています。この半導体工場では、大量の地下水の汲み上げ使用と電力の多消費が計画されており、また、数多くの有害化学物質や危険な有害ガスを使用するため、その製造工程で爆発・火災などの災害リスクとともに、工場内労災・職業病の発生と合わせて、工場外の地域環境の大気、水、土壌などの環境汚染と、産業廃棄物の排出等による多種多様なリスクの発生が予測されることから、まずはそのリスク要因分析を行うことによって、公災害の発生の未然防止に資するための調査研究を行ないます。また、この調査研究の一環として、TSMCの本社工場がある台湾の新竹市をはじめとする台湾の西海岸の都市に所在するハイテクパークの視察見学(台湾における半導体工場を見て、知って、理解し、学ぶツアー)と、関係行政機関に対するヒアリング及び環境NGO団体との交流を行なうことで、既設半導体工場における諸問題に関する情報収集を行なうことにより、リスク要因分析作業の一助とします。
2024年の中間報告から
国内をはじめ世界的に半導体工場の新規立地計画が進行しており、熊本県菊陽町には国策として台湾の半導体企業TSMC が誘致されました。第1 工場は2024 年12 月から本格操業を開始し、さらに第2工場の建設も進められています。また、周辺自治体には半導体関連産業の集積が見込まれ、熊本は九州シリコンアイランドの中心地となりつつあります。一方、熊本市は水道の水源を100%地下水で賄う、全国唯一の地下水都市として知られていますが、2023 年度熊本市の地下水検査により、国の基準を上回るPFAS(有機フッ素化合物)の汚染が明らかになりました。熊本の水や環境を憂慮する市民有志が熊本の環境を考える会を立ち上げ、独自にPFAS の検査、半導体についての学習会等を続けてきました。
半導体企業は操業にあたり、多くの有害化学物質を使用、特にPFAS を多用することが明らかとなっています。会は高木基金の助成を受け、2024 年の10 月には台湾の新竹市を訪れ、現地NPO、環境団体、現地住民の方々と交流、環境調査等を行う計画でしたが、日本で急遽、総選挙が行われることになり、計画は2025 年3 月に延期となりました。この間、台湾現地調査費用の不足分を賄うため、大竹財団への助成金申請を行なっています。
また、会独自のPFAS 検査、水質・土壌調査のデータに基づいて熊本市に要望書を提出、TSMCに対しての完全クローズドシステム導入を求める要望書を県に提出、PFAS と産廃処理・処分場との関連が明らかとなった熊本市の調査を受け、県内に計画中の産廃処理施設・最終処分場周辺の水質調査にも取り組んでいます。
2025年2 月7 日に開催される小泉昭夫京大名誉教授の講演会実行委員会に参加、4 月26 日台湾調査報告会、5 月24 日には原田浩二京大准教授を招いての講演会も計画しています。