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Ecological Alert and Recovery | |
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さん | |
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https://www.earththailand.org/en/ | |
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5,000USD=約67万円 |
産業廃棄物リサイクル工場(Wax Garbage社)の敷地
2020年に工場側に対する訴訟に市民が勝った際の記者会見
2022年9月の助成申し込み書より
本研究調査は、タイ国ラチャブリ県ムアン郡ナンプー市の産業廃棄物汚染の影響を受けたコミュニティにおいて、化学物質汚染への曝露リスクを低減し、地域の社会的な復興を促すことを目的としたアクションリサーチです。
ナンプー市は産業廃棄物のリサイクル・埋め立て工場(Wax Garbage社)の影響を受けてきました。主な影響は廃水の漏出で、揮発性有機化合物(VOC)や重金属などの有害化学物質による汚染です。地元の人々は2001年以来、地方行政などに働きかけ、現場調査もされてきたものの、問題は20年以上にわたって解決されてきませんでした。2017年には、ナンプー市民は工場に対して、タイ史上初となる環境集団訴訟を起こしました。2020年には工場側に対して地元住民への補償と環境修復を命じる判決が出され、工場は操業を停止したものの、今日まで有害廃棄物は放置されたままで、その漏出による大気や川の汚染が今も確認されています。
今回の調査活動では、影響地のコミュニティの人々が植物を使って汚染物質を吸収するファイトレメディエーションの手法を用いて、化学物質への曝露を減らす取り組みを支援していきます。私たちはファイトレメディエーションが深刻な汚染された環境を根本的に回復するものにはならないと理解していますが、それでも、地域社会における化学物質への曝露を少しでも減らし、地域環境のモニタリングに役立てたいと考えています。何より、今回の調査活動は、裁判で勝利しても、環境回復につながっていない現状に「活動疲れ」に見舞われているナンプーの人々に希望を与え、活動を続けていくモチベーションにつなげ、環境のみならず、ナンプー市の社会的機能の修復を目指していきたいと考えています。同時に、コミュニティの活動を政府機関やメディアに知らせ、地元の人々がこの問題を放置していないという態度を示し、短期的には継続的に環境修復のための行動を政府機関に求めるとともに、長期的には、タイにおいて、環境修復を可能にするための法整備が進むよう、より大きな社会的議論を行うための出発点になる調査になることを目指していきます。